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エロスの解説

Otherusesギリシア神話のエロースその他のエロースエロス (曖昧さ回避)
エロース」(古典ギリシア語:「langgrcΈρω&sigmaf」)は、ギリシア語でパスシオン則ち受苦として起こる「愛」を意味する普通名詞が神格化されたものである。ギリシア神話に登場する恋心と性愛を司る神である。日本語では、「エロス」とも言う。

概説
Image:William-Adolphe Bouguereau (1825-1905) - A Young Girl Defending Herself Against Eros (1880).jpgrightthumb190pxブーグロー「クピドから身を守る少女」。1880年
ノースカロライナ美術館蔵
ローマ神話との対応・姿の変化
ローマ神話では、エロースには、ラテン語でやはり受苦の愛に近い意味を持つ「アモール」(Amor)または「クピド」(Cupido)を対応させる。クピドは後に幼児化して、英語読みでキューピッドと呼ばれる天使 (通用)小天使のようなものに変化したが、元は、髭の生えた男性の姿でイメージされていた。古代ギリシアのエロースも同様で、古代には力強い男性あるいは若々しい青年であり、やがて、少年の姿でイメージされるようになった。

古代の記述
ヘシオドスの『神統記』では、カオスやガイア、タルタロスと同じく、世界の始まりから存在した原初神である。崇高で偉大で、どの神よりも卓越した力を持つ神であった。またこの姿が、エロースの本来のありようである。

後に、軍神アレスアレースと愛の女神アプロディーテーの子であるとされるようになった。

古代には、上述のように若い男性の姿で描かれていたが、西欧文化では、近世以降、背中に翼のある愛らしい少年の姿で描かれることが多く、手には弓と矢を持つ(この姿の絵は、本来のエロースではなく、アモールあるいはクピドと混同された絵である)。黄金で出来た矢に射られた者は激しい愛情にとりつかれ、鉛で出来た矢に射られた者は恋を嫌悪するようになる。

エロースはこの矢で人や神々を撃って遊んでいた。ある時、アポローンにそれを嘲られ、復讐としてアポローンを金の矢で、たまたまアポローンの前に居たダプネーを鉛の矢で撃った。アポローンはダプネーへの恋慕のため、彼女を追い回すようになったが、ダプネーはこれを嫌って逃れた。しかし、いよいよアポローンに追いつめられて逃げ場がなくなったとき、彼女は父に頼んでその身を月桂樹に変えた(ダプネー daphne とはギリシア語で、月桂樹という意味の普通名詞である)。

「愛と心の物語」
Image:L'Amour et Psyché (Picot).jpgthumbright260pxアモールとプシケー (愛と心)

ヘレニズム時代になると、甘美な物語が語られるようになる。それが『愛と心の物語』である。地上の人間界で、王の末娘プシュケプシューケーが絶世の美女として噂になっていた。母アプロディーテーは美の女神としての誇りからこれを嫉妬し憎み、この娘が子孫を残さぬよう鉛の矢で撃つようにエロースに命じた。

だがエロースはプシューケーの寝顔の美しさに惑って撃ち損ない、ついには誤って金の矢で自身の足を傷つけてしまう。その時眼前に居たプシューケーに恋をしてしまうが、エロースは恥じて身を隠し、だが恋心は抑えられず、魔神に化けてプシューケーの両親の前に現れ、彼女を生贄として捧げるよう命じた。

晴れてプシューケーと同居したエロースだが、神であることを知られては禁忌に触れるため、暗闇でしかプシューケーに会おうとしなかった。姉たちに唆されたプシューケーが灯りをエロースに当てると、エロースは逃げ去ってしまった。

エロースの端正な顔と美しい姿を見てプシューケーも恋に陥り、人間でありながら姑アプロディーテーの出す難題を解くため冥界に行ったりなどして、ついにエロースと再会する。この話は、アプレイウスが『黄金の驢馬』のなかに記した挿入譚で、「愛と心」の関係を象徴的に神話にしたものである。プシューケーとはギリシア語で、「心・魂」の意味である。

プシューケーとの間には子供の喜び(ウォルプタス)と言う女の子がいる。

参考書籍
ヘーシオドス 『神統記』 岩波書店
アプレイウス 『愛と心の物語』 岩波書店 (『黄金の驢馬』の作中話として挿入されている)。
呉茂一 『ギリシア神話』 新潮書店

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